【裏読み】株式会社イーエムシステムズ(商号 株式会社EMシステムズ) (4820) の最新決算と特許。数字が語る『盲点』

医科・介護システム事業、営業損失が拡大

2023年度の売上高は203.5億円と前期比20.3%増。しかし、営業利益は23.3億円と2.7%減少した。販管費が58.7億円から75.9億円へと大幅に増加しており、開示資料からは利益を圧迫している状況が読み取れる。特に、医科システム事業と介護/福祉システム事業における営業損失の拡大は注視すべき点だ。

販管費増加、複数の要因が複合的に影響か

販管費の増加要因として、広告宣伝費(4.4億円→5.6億円)、給料及び手当(24.5億円→31.5億円)、のれん償却額(0.9億円→2.0億円)などが挙げられている。TVCMの放映、従業員への特別報酬支給、M&Aに伴うのれん発生が費用増に影響を与えているようだ。M&A戦略が、短期的には費用増加の要因となっている可能性がある。

調剤システム事業は高収益、医科システムの低迷が鮮明

調剤システム事業は売上高161.5億円、営業利益29.3億円と高収益を維持している。対照的に、医科システム事業は売上高28.0億円に対し営業損失1.3億円、介護/福祉システム事業も売上高5.5億円に対し営業損失5.4億円となっている。医科システムと介護/福祉システム事業の収益改善が課題として明確に浮かび上がっている。

投資不動産からの収入減、減価償却費増

投資不動産からの賃貸収入は9.7億円と依然として大きいものの、前期の10.5億円から減少している。一方で減価償却費は増加しており、不動産事業の収益性について、今後の動向を確認する必要がある。

M&A戦略、のれん償却負担が重荷となる可能性も

グッドサイクルシステムとユニケソフトウェアリサーチの連結子会社化は売上高増加に貢献した。しかし、のれん償却費の増加を招いていることも事実だ。のれん14.7億円、顧客関連資産11.9億円を計上しており、今後の償却が財務に与える影響について注意が必要だろう。

自己株式取得、資本効率向上に繋がるか

2024年2月14日に自己株式取得を決議。取得総数160万株、取得総額10億円を上限とする。開示資料によると、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策、資本効率の向上、株主還元の強化が目的とのことだが、利益が減少している状況での自己株式取得には、資本配分の優先順位について様々な見方が生まれるかもしれない。

短期視点: 自己株式取得が市場に与える影響と、M&Aによるのれん償却負担増、販管費増加による利益圧迫という複数の要素が混在している。

中長期視点: 医科システム事業と介護/福祉システム事業の収益改善が最重要課題となる。M&A戦略によるシナジー効果の発現、のれん償却負担の軽減、医療DX関連の成長戦略の進捗が注目される。

向いている投資家: 短期的な株価変動よりも、医療DX市場における中長期的な成長に期待する投資家。M&A戦略による事業拡大の成否を見極める必要があると考える投資家。

本レポートは個人の見解であり、投資を推奨するものではない。 サラリーマン投資家ベラナイス


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